新年早々、電気ケトルを買い替えた。
一人暮らしを始めた時に買ったティファールのケトルが、使用10周年記念イヤーにめでたく寿命を迎えたからだ。

新しい電気ケトルを迎えるまでは、まぁまぁ時間がかかった。
電気ケトルって毎日どころか、在宅勤務になった今では1日5回ぐらい使う、超重要ツールだからだ。
よく使うものだからこそ、「もっとこういうのがよかった」と思いたくなくて、年末から真剣に考えて、結論がでず、年が明けた。

ラッセルホブスのTケトルにした

悩みに悩んで、これにした。

Tケトル▼
https://russellhobbs.jp/product/7106jp

温度調節の機能付きというのはマストな条件。
それ以外はどういったものがいいんだろう、、と考えた結果、
「よく使うなら、愛着が持てるようなデザインがいいなぁ」ということで、
このなんとも言えない、やかんっぽいというか、ジョウロっぽい形が気に入ってこれにした。

これまでラッセルホブスのことを意識したことはなかったけれど、
どうやらイギリスの代表的な調理家電ブランドのようで、
65年ほど前から電気ケトルを作っているとのこと。
このカフェケトルはみたことあるような気がする。

カフェケトル▼
https://russellhobbs.jp/product/cafekettle

今回のTケトルは、昨年日本用に企画されたデザイン。
和スタイルの空間にも合うように、と開発されたとのこと。
言われてみれば、取っ手が上にあるのは、ちょっと急須みたいにも見える。

実際に使ってみて

先代ティファールの半分と、
容量が小さいことが何よりの懸念だったのですが、
「その部分はこっちがカバーするんで」と言いたくなるぐらい、
とにかくデザインがかわいい。


実際手にとってみて、指紋など付くはずもなさそうなマットな質感と、
一部を太く設計された取っ手が、握りやすくとても使い心地がいい。
「ピーン」という操作音も、なんというかちょっと現代的で、気に入った。

更に驚いたのは、注ぎ口。
先代ティファールは「くちばし型」と言われる注ぎ口が短いタイプ。
「ジャー」っと一気に、そしてほぼ垂直に注がれるようなつくりだった。

それとは異なり、今回のはやかんみたいに注ぎ口が少し長いタイプ。
でてくるお湯がなめらかな放物線を描いた。
なんと優しい注がれ方。先代とのギャップに驚いた。

じっと、その注ぎ口の先端を見てみると、絶妙なカッティングが施されている。
これが優しさをもたらしている理由に違いない、
そしてこれはめちゃくちゃこだわった部分に違いない、
そう確信した。


お湯の放物線をみて

毎日何度もこの放物線を見ていて、ふと思い出したことがある。
PIXARのひみつ展で見た、バグズ・ライフで無数の草を表現した話だ。

PIXARのひみつ展について▼
https://www.fashion-press.net/news/48031

昨年9月に午後休を取って、平日にひとりでひっそり観に行った。
めちゃくちゃ面白くて、撮影OK(一部を除いて)だったのをいいことにたくさん写真をとった。
面白さをシェアしたくて、一部をインスタのストーリーにあげた。

ストーリーのハイライト▼
https://www.instagram.com/s/aGlnaGxpZ2h0OjE3ODcwNDM1MDI5OTg3MDY0?igshid=lhi3q9ektw4a&story_media_id=2389849747221475329

インスタに載せたものの他にも、印象に残っている制作の裏側がいっぱいあった。
その中の1つが、バグズ・ライフででてくる大量の草は、
誰もが一度は描いたはずのy=x²のグラフの放物線を元に作られたものだということ。

ピクサーで働く方の中には、数学の天才たちがたくさん。
じーーーーっと自然を見つめて、共通性を探して、
y=x²から派生させた数式を導きだしたとのこと。

自然界のものを、デジタル上でなるべく違和感なく、そして大量に描くために数式を導き出す
というのが、自分にとっては印象的で記憶に残っている。

なんのために数学を学ぶのか

このとき、当たり前のことを改めて思い出した。
数学のよさって再現性だった、と。

数式があることにより、もう一回同じものを作れる。複製できる。
しかも、最短距離で

それと同時に小学時代に受けた、円周率の授業のことを思い出した。
定規でコンパスの開き幅を測ったのち、紙に円を描く。
その円を切り取って、コロコロ回しながら、円周の長さを定規で測る。
(こんなのやらなかったですか?)

どんなにコンパスの幅を変えようが、直径に対する円周の倍率(=円周率)は変わらないことを実感。
小学生の私は「ほえ〜〜〜おもしろ〜〜〜」となった。
多分算数を楽しいって思い始めた原体験はコレ。(得意かは別の話)


算数や数学って、先人が見つけてきためちゃくちゃ使える知恵(=再現する際の最短距離)を学ぶ場だったのだな〜と改めて。

かつ、今回のひみつ展で数学者たちは教えてくれた。
数式は覚えるものではなく、見つけるものだということ。
しかも、その見つける作業がめちゃくちゃ楽しいということ。
(ひみつ展では実際にピクサーで働く人がその人の言葉で、その作業について話す映像が、各工程ごとに流されていた。その熱意is最高だった。)

だがしかし、数学の基礎は忘却のかなた

ふと自分の周りを見渡すと、細かい数式の元、再現性を持って作られたものばかりだ。
テレビだって、ソファだって、アイフォーンだって。
今回のケトルだってそう。
優しさをもたらしている、あの注ぎ口だってそのはず。

ケトルの放物線を見て、数学と繋げることって楽しいと気づいた。
数式を見つけ出すまでは難しくても、繋げるだけでも結構楽しい。

ただ、それに気づくには、基礎知識が必要。
今回だって、バグズ・ライフの話を知らなければ、特に何も思わなかったはず。


なのに、小中高で習ったような算数・数学の基礎をすっかり忘れてるな〜と(笑)
三角関数って?√(ルート)って?Σ(シグマ)って?なんやったっけ?????状態。

楽しむためのツールとして思い出さなきゃな〜と思って、
ピクサーのひみつ展に行った後に、そのままのテンションで中学数学を復習するテキストを購入した。

Amazon▼
https://www.amazon.jp/dp/4761272031?ref=ppx_pop_mob_ap_share

だがしかし、連立方程式までやって、なんとなく飽きて、放置していた(笑)
今回の件で、やっぱり復習が必要だな〜と感じたので、ぼちぼちまた始めよう。